当サイトは文化庁・文部科学省などの公的機関と、大学・博物館の公式サイトの公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。制度や募集の内容は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。記事内には広告を含む場合があります。
求人や資格の説明で「学芸員補」という言葉を見かけて、学芸員と何が違うのか気になった方も多いですよね。
結論から言うと、学芸員補とは博物館法で定められた、学芸員の職務を助ける職員です。短大卒業程度の学歴と博物館に関する科目の単位で資格を得られ、働いた経験は学芸員資格にもつながります。
この記事では、学芸員補の仕事内容と、学芸員補になるには何が必要か、その先の学芸員への道までお話ししますね。
学芸員補とは?学芸員の職務を助ける職
学芸員補とは、博物館法第4条で「学芸員の職務を助ける」と定められた職員です。博物館には、館長・学芸員のほか、学芸員補などの職員を置くことができるとされています。
『学芸員補って、見習いの学芸員みたいなもの?』と思う方もいるかもしれませんね。
イメージとしては近いです。学芸員が資料の収集・保管・展示・調査研究を受け持ち、学芸員補はそれを支える立場にあります。
ただ、学芸員補は博物館法に名前のある正式な職です。単なるアルバイトの呼び名ではないんですね。
| 項目 | 学芸員 | 学芸員補 |
|---|---|---|
| 法律での位置づけ | 博物館に置く専門的職員(第4条第3項) | 学芸員の職務を助ける(第4条第6項) |
| 置くかどうか | 博物館に置く | 置くことができる |
| 資格の主な学歴要件 | 学士の学位 | 短期大学士の学位など |
| 博物館に関する科目 | 9科目19単位 | 9科目19単位 |
学芸員補の資格は、学芸員と同じ博物館に関する科目を学ぶのに、学歴の要件が短大卒業程度になっている点が特徴です。
学芸員の全体像は学芸員とは?でまとめています。
学芸員補は全国にどのくらいいる?
文部科学省の社会教育調査(令和6年度)では、博物館の学芸員補は597人でした。博物館類似施設の学芸員補は258人です。
博物館の学芸員が5,618人なので、学芸員補はかなり少ないことが分かりますよね。
| 博物館の学芸員補(令和6年度) | 人数 |
|---|---|
| 専任 | 225人 |
| 兼任 | 22人 |
| 非常勤 | 275人 |
| 指定管理者 | 75人 |
| 合計 | 597人 |
非常勤の割合が学芸員より高めなのも、学芸員補の特徴の一つです。
学芸員補の仕事内容と「学芸員補助」との違い
学芸員補の仕事内容は、学芸員の仕事を支えることです。資料の整理や記録、収蔵庫の管理、展示作業、教育普及の補助などを、学芸員と一緒に行います。
『学芸員補は、具体的にどんなことをするの?』と気になりますよね。
法律では「学芸員の職務を助ける」としか書かれていないので、実際の仕事は館によって違います。ここでは、よくある仕事の例をまとめました。
- 資料に番号を付け、台帳やデータベースに記録する
- 収蔵庫の温度や湿度、資料の状態を見回る
- 展示作業や展示替えを手伝う
- 講座やワークショップの準備と運営を手伝う
- 資料の問い合わせに答える準備をする
例えば、展示替えの日には、こんなやりとりがあるかもしれません。
「この土器、次のケースに移すので、記録の写真を先に撮っておいてもらえますか」
「分かりました。台帳の保管場所の欄も、あとで書き換えておきますね」
学芸員のそばで、資料の扱いや記録の付け方を一つずつ身につけていく仕事なんです。
学芸員補助と学芸員補は同じ?
「学芸員補助」という言葉もよく見かけますよね。
法律で定められている職名は「学芸員補」です。一方の学芸員補助は、学芸員の業務を手伝う仕事を広く表す言い方として使われることがあります。
大学の博物館実習でも、実習生は展示作業や資料整理、教育普及などの学芸業務の補助を経験します。
求人の職名が「学芸員補助」や「学芸員補」でも、学芸員補の資格が必要かどうかは募集によって違います。応募資格の欄を、先に確かめておきましょう。
学芸員補として働く良さと気をつけたいこと
- 学芸員のそばで実際の仕事を覚えられる
- 3年以上の経験が学芸員の資格につながる
- 博物館の現場の人とのつながりができる
- 募集の数がとても少ない
- 非常勤の募集の割合が高め
- 館によって任される仕事の幅が違う
『経験を積めるなら、まずは学芸員補から』と考える人もいます。募集要項で勤務の形や任期を確かめてから応募しましょう。
学芸員補になるには?学芸員補の資格の要件
学芸員補になるには、まず博物館法第6条の学芸員補の資格を満たし、そのうえで博物館に採用されることが必要です。資格の基本は、短期大学士の学位と博物館に関する科目の単位です。
学芸員補の資格は、令和4年の博物館法改正(令和5年4月1日施行)で今の形になりました。
学芸員補の資格の要件を整理すると、次のとおりです。
| 学芸員補の資格の要件 | 根拠 |
|---|---|
| 短期大学士の学位があり、博物館に関する科目の単位を修得した | 博物館法第6条第1号 |
| 大学に2年以上在学し、博物館に関する科目の単位を含めて62単位以上を修得した | 博物館法施行規則第18条 |
| 高等専門学校の卒業などで、大学で博物館に関する科目の単位を修得した | 博物館法施行規則第18条 |
文化庁は、ここでいう博物館に関する科目の単位を「9科目19単位」と説明しています。

『4年制大学に通っている途中でも、学芸員補になれるの?』と思った方もいますよね。
大学に2年以上在学して、博物館に関する科目を含めて62単位以上を取っていれば、学芸員補の資格の要件を満たせます。科目の中身は学芸員資格に必要な科目と単位数で紹介しています。
改正法の施行の時に、すでに博物館で学芸員補の職にあった人は、引き続きその博物館で学芸員補として働けることになっています。
短大や専門学校からでも目指せる?
学芸員補の資格は、短期大学で博物館に関する科目を取る道が基本です。
文化庁の学芸員養成課程開講大学一覧には、短期大学(部)も載っています。一方で、専門学校そのものが学芸員課程を開いている例は、一覧には見当たりません。
高専や専門学校を出た人は、大学で博物館に関する科目を修得する形になります。くわしくは短大・専門学校・高卒から学芸員資格は取れる?で紹介しています。
学芸員補や学芸員を目指すなら、博物館に関する科目を学べる学校を探すところから始めてみてください。短大か4年制か、通学か通信かで選べる学校が変わるので、資料で比べておくと安心です。
大学選び
学芸員課程のある大学を探して、資料で比べてみる
学芸員資格は、文部科学省令で定める博物館に関する科目を大学で修得して得るのが基本です。通信制で学べる大学もあります。まずは文化庁が公開している学芸員養成課程の開講大学一覧で候補を探し、気になる大学の資料を取り寄せて、実習の扱いや費用、学べる期間を見比べてみましょう。
資格取得学芸員養成課程の開講大学一覧を見る(文化庁の公式サイトに移動します。最新の課程・募集内容は各大学の公式サイトで確認してください)
学芸員補から学芸員へ進む道を時間軸で見る
学芸員補の資格を持ち、3年以上学芸員補の職にあると、学芸員の資格を得られます。博物館法第5条第1項第2号に定められたルートです。
学芸員補は、学芸員へのステップにもなります。
学芸員補の資格を持つ人が、学芸員補として3年以上働くと、学芸員の資格の要件を満たすんです。

| 時期 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 短大などで学ぶ | 短期大学士の学位と博物館に関する科目の単位を得る | 学芸員補の資格を満たす |
| 1年目 | 博物館に採用され、学芸員補の職に就く | 採用されて初めて学芸員補になる |
| 2年目 | 資料の整理や展示の補助で経験を積む | 担当できる分野を広げる |
| 3年以上 | 学芸員補の職を3年以上続ける | 学芸員の資格の要件を満たす |
| その後 | 学芸員の採用に応募する | 学芸員として働くには採用が必要 |
学芸員補と同じ扱いになる職もある
博物館法第5条第2項は、学芸員補の職に、官公署・学校・社会教育施設での一定の職を含めると定めています。
文化庁の告示で指定されている職には、例えば次のものがあります。
- 教育委員会で資料を扱う業務の職員
- 学校や社会教育施設で資料を扱う業務の職員
- 社会教育主事、司書
『図書館の司書として働いた期間も入るの?』と思った方もいますよね。司書も、この告示で指定された職の一つです。
資格認定で学芸員を目指す道も
働きながら学芸員資格を目指す方法には、文部科学大臣の資格認定もあります。
例えば試験認定では、大学に2年以上在学して62単位以上を取り、博物館資料に関する実務を2年以上行った人も受験できます。受験資格や流れは学芸員資格認定とは?でくわしく紹介しています。
- 自分が学芸員補の資格を満たしているか確かめる
- 学芸員補として働いた期間を記録しておく
- 3年以上の勤務か、資格認定の受験資格を満たす
- 学芸員の採用に応募する
学芸員補についての知恵袋によくある相談
知恵袋では「学芸員補になるのは簡単?」「どんな勤務が学芸員補の経験に入る?」「高卒から目指せる?」といった相談がよく読まれています。
ここでは、学芸員補について読まれている相談を要約して答えていきます。
「転職を考えています。学芸員補ってどんな立場?」
転職先として学芸員補が気になり始めた、という相談です。とても多く読まれています。
学芸員補は、博物館法に名前のある正式な職で、学芸員の職務を助ける立場です。資料の扱いや記録、展示の補助などを通じて、博物館の仕事を一から覚えられます。
社会人の場合は、まず自分の学歴と単位で学芸員補の資格を満たすかを確かめるのが第一歩です。足りない科目があれば、通信制大学などで補う方法もありますよ。
「学芸員補の資格に必要な単位はいくつ?」
学芸員の募集を見て、自分が要件を満たすか気になった、という相談です。
博物館に関する科目は9科目19単位で、学芸員も学芸員補も同じです。学芸員補の場合は、これに短期大学士の学位か、大学で62単位以上(博物館に関する科目を含む)などの要件が加わります。
「学芸員補になるのは、学芸員と同じくらい倍率が高い?」
学芸員補なら簡単になれるのか、という相談です。
学芸員補の人数は博物館で597人と、学芸員よりずっと少ないです。そもそも募集の数が多くないので、簡単になれるとは言いにくいのが正直なところです。
ただ、募集が出た時に資格を持っていれば応募できます。学芸員と学芸員補、両方の募集に目を配っておくと選択肢が広がりますよ。
「非正規の遺物整理の仕事は、学芸員補の経験に入る?」
発掘で出た遺物を整理する仕事をしていて、それが学芸員補の職にあたるか知りたい、という相談です。
学芸員補の職に含まれるのは、博物館の学芸員補と、文化庁が指定した同等以上の職です。勤務先や仕事の中身によって扱いが変わるので、自分で判断せず、勤務先や文化庁に確かめるのが確実です。
「高卒で学芸員補として働けば、学芸員になれる?」
高校生からの、高卒で学芸員を目指したいという相談です。
学芸員補の資格には、短期大学士の学位や、大学で62単位以上などの要件があります。高校卒業だけでは、学芸員補の資格を満たせません。
一方で、資格認定の試験認定には、大学に入学できる人で博物館資料に関する実務を4年以上行った人も受験できる区分があります。道はあるので、まずは自分に合う方法を調べてみてください。
よくある質問
学芸員補とは何ですか?
博物館法で「学芸員の職務を助ける」と定められた職員です。資料の整理や展示の補助などで学芸員を支えます。
学芸員補の資格はどうやって取りますか?
短期大学士の学位があり、博物館に関する科目の単位を修得すると資格を満たします。大学に2年以上在学し、博物館に関する科目を含めて62単位以上を取った場合も同じです。
学芸員補になるには資格だけで大丈夫ですか?
資格だけでは学芸員補になれません。博物館に採用されて学芸員補の職に就く必要があります。
学芸員補助の仕事に資格は必要ですか?
募集によって違います。学芸員補の資格を条件にしている募集もあれば、条件にしていない募集もあるので、応募資格の欄を確かめてください。
学芸員補として何年働くと学芸員の資格を得られますか?
学芸員補の資格を持つ人が、3年以上学芸員補の職にあると、学芸員の資格の要件を満たします。
まとめ
- 学芸員補とは、博物館法で学芸員の職務を助けると定められた職員
- 仕事は資料の整理や記録、展示や教育普及の補助など
- 学芸員補の資格は、短期大学士の学位と博物館に関する科目の単位が基本
- 学芸員補として3年以上働くと、学芸員の資格につながる
- 職名が似た学芸員補助の募集は、資格の要否を募集要項で確かめる





コメント